Alfa Romeo 1750 GTV “QO”
アルファ・ロメオ1750 GTV “QO” 1968年
特別仕様再び
アルファといえば、四つ葉のクローバー。
アルファ・ロメオのスポーツ魂の証だったりします。
昨年100周年を迎えたこのアルファ・ロメオのクローバーの歴史。
詳しくはいろんなもので書かれているので、そちらに任せたいのですが、ちょうど今映画館でマイケル・マン監督、アダム・ドライバー主演の「FERRARI」が放映されているので触れたいと思います。
まず、1923年がどうしてアルファ・ロメオの四つ葉のクローバーにとって記念すべき年なのかというと、この年はじめて世界的なレースで優勝したということに起因しています。
このときのチームドライバーが、アントニオ・アスカリ、エンツォ・フェラーリ、ジュリオ・マゼッティ、ウーゴ・シヴォッチというメンツ。
そうです。あのエンツォ・フェラーリが現役のワークスドライバーだったころなんですね。
ざっくりとスポーツの証だとか、幸運の証とかいわれていますが、それまでなかなか優勝できず二位ばかりシヴォッチさんが、願掛けのために描いた四つ葉のクローバーが起源になっています。
というのも、この23年のタルガ・フローリオで、ゴール直前までアスカリがリードしていたにも関わらず、突然エンジントラブルが発生。2位を走っていたシヴォッキが初優勝&アルファにとっての初の国際大会優勝をもたらしたのでした。
ここまでならサクセスストーリーなのですが、実はこのシヴォッキさん。同年のモンツァでのテストで事故死してしまいます。なんとこのときのアルファ・ロメオP1、17号車にはパーツ交換などの都合から四つ葉のクローバーが描かれていなかったのです。
以後、アルファのレーシングチームおよびスポーティモデルには四つ葉のクローバーを必ず描き、17号車は欠番となったといいます。ちなみに、シヴォッチの最初のクローバーは四角い白地がベースでしたが、彼が亡くなったことを意味する白地の三角に変更されています。
さてさて、ウンチクはここまで。
そんな大切な四つ葉のクローバーですが、それが緑から金になっている意味は、ランチアやフェラーリがよく使う「ルッソ(豪華版)」という表現をこの黄金四つ葉のクローバーで代弁しているのです。
ではこの1750。具体的には何が違うのでしょうか?
外装はこのクローバー以外変化はありません。内装が違うんです。
シンプルなシートだった通常版に対し、こちらはいかにもイタリアンデザインというアヴァンギャルドさあふれるものに変更。
ヘッドレストも格納式になっていたり、その座り心地と見た目にはヤラれます。
さらに、ペダル位置が改められており、現地では「Pedaliera Bassa(ペダリエーラ・バッサ)」と呼ばれるモデルなんです。
ワンオーナーで、アルファのクラシケによる認証つき。実は弊社で輸入したベージュの1750と同じオーナーさん。
最後まで残した一台でしたが、高齢により泣く泣く放出となりました。
欧州では急激に人気が上昇している初期型の1750(メーターパネルがカッコいい)。
その特別仕様。しかもオリジナルのワンオーナーもの…。ご興味ある方はお早めに!