FIAT 128 3P Berlinetta
フィアット 128 3p ベルリネッタ
ベルリネッタってご存知ですか?
ベルリネッタの定義にはいろいろあるのですが、広くは3ドアのクーペというところでしょうか? イタリアでは80年代以降のスポーティなクーペという言い方をするケースがありますが、
座席の数などでいろいろと認識違いが出てきているので、本当にこれがベルリネッタだという約束事はないようです。昭和のおっさんたちをときめかせるベルリネッタといえば、やはりフェラーリのベルリネッタ・ボクサーですが、これまた最近の製作者のインタビューで「こじつけ」だということが判明してしまいました。
なんてことはさておき、このクルマ。正式名称は128 3P。トレピー。トレポルテ、すなわち3ドアという意味です。
時代的には70年代中盤に流行したこのスポーツワゴン、スポーツクーペ的な部分を色濃く反映したもので、今あるスリードアハッチバックとは異なります。ややこしいのですが、スポーツクーペ的な低くて平べったくて流麗な感じがないものはベルリネッタとは呼びませんw。
またしても128を買い付けてしまった弊社ですが、やはり、128シリーズのコンプリートを狙う我が社としてはどうしてもおさえておきたい珍車でした。
そんな3P。長年ワンオーナーだったこの車両。
実は、孫に譲って大事に受け継いでもらおうとしていたところ
「うーん、いらないや」
という衝撃の一言。
傷ついたココロの老人から、奪い去るようにして買い付けた一台です。
ただでさえ珍車、それもワンオーナーとなると見つけるのは至難の業なのに加え、運の良いことに初期型という幸運。
この機を逃すほど慈悲を持ち合わせてはいませんでした…。
中身は先の128クーペと同じように、少々強化されたエンジンが搭載され、これも実は草レースではよく見かける一台だったりします。(さすがにクーペの方がより剛性は高いですが)
このクルマの良いところは、
やっぱりこの手のデザインはイタリアだなと関心しきりのシートファブリック。
そこに、私ごときの写真の腕では全くその魅力が伝わらない、個性的な外装。
中からの景色は、いつもながらのイタリア車らしく、たいへん明るく爽快。
加えてこの色合いのシートで、一層気分が明るくなるカジュアル感を醸し出してくれます。
さらにクーペながら、しっかりと広い後席など、今の車にかけているクリエイティビティが満載のクルマだったりします。
むしろ今っぽさすら感じる、当時のオリジナルペイントであるあたたかいオレンジ色など、今日本で走ると可愛い感じの一台です。(褒めすぎですかね?)
スポーティでよく回るエンジンと、軽快なハンドリングはドライブそのものを楽しくしてくれますし、ある意味で今の自動車が失ってしまった様々な刺激を与えてくれる一台といえます。
14万台ほどしか生産されなかったかなーりクセ強な一台ではありますが、この良さがわかってくれる方に是非。
ワンオーナーのオリジナルコンディション(外装一部タッチペン跡あり)ですが、輸入にあたっては本国で機関の整備、ブレーキ&足回りの見直しを施す予定。ワンオーナー。
フルオリジナル。ガレージ保管。