Lo-Fi

最近音楽の世界でよく言われる「Lo-Fi」。
そうですローファイですね。ハイファイの反対語。

直訳すると録音環境があまり良くないって意味なんですが、今ではやたら技術が進歩した音の世界に対するアンチテーゼなのか、かっこいいサウンドの代名詞になりつつあったりします。

©Garage Italia Milano

それに呼応してか、はたまた彼らが発信源なのか、若いおしゃれな子たちを中心に、テープやレコード、果ては音源までが60〜80年代のアナログ中心の時代に逆戻りしているようです。

少し前に流行った「エモい」という言葉が、まさに的を射ているのかもしれませんが、それは音楽のみならずファッションやライフスタイルにも次第に大きな影響を与えていますね。

↑最近では、アメリカのギターメーカーFender社が、世界初となる旗艦店を東京原宿のど真ん中にオープンさせました。
おしゃれな店内やレイアウトが素晴らしいスポットで、連日にぎわっています。 Photo ©Fender



スマホだSNSだアルゴリズムだに疲れてきた若者たちが、

「心地よい」とか、

「なんとなくあったかい」

そんな感じに囲まれて暮らしたいという、潜在的な欲求が顕在化してきた結果生まれたのかもしれません。

ふと思えば、ウチで扱っているクルマたちもLo-Fiど真ん中と言えないでしょうか?(自意識過剰?)

たとえばFIAT127 CORIASCOで下北沢や原宿に出かけると、ほぼ毎回必ず「カワイイ!」とか「何あれ? かっこいい」なんて言葉が、運転してるワタシの耳に入るくらいの声の大きさで聞こえてきます。

マニアックなクルマだと思って乗っているので、街の車好きの反応が楽しみだったのに、意外や意外、小さな子供たちから、それこそ老若男女問わず色んな人たちにキャアキャア言ってもらえるのには驚きました。


やっぱりクルマに乗っていて、多くの笑顔が投げかけられるのって気持ちのいいものです。



ウチのセレクトは、かなりアクの強いということは重々承知していますが、純粋にクルマの専門家として、もっと多くの人、それもできれば若い子たちに、一味違うデザインと楽しい走りのクルマの魅力を感じてもらいたいという一心でマブチモータースを運営しています。


旧車、しかも外車が心配という方も多くいらっしゃいますが、

この時代のイタリア車をどう運転すればいいのか?
どこに気をつけてメンテナンスすればいいのか?

イタリア移民のわたくしがキッチリとレクチャーさせていただきますので、どうかご安心ください!

いうまでもなく、料理や家具、ファッションなど、イタリア人が作るものは日本をはじめ世界中で大人気です。やはりそれはある種独特な明るさや楽しさ、やさしさがてんこ盛りなのが理由だと思います。


小型車筆頭のFIATやアウトビアンキなどは、まさにシンプルなピザやスパゲティのように、美味しく、毎日だって食べられる気軽さがあります。

また、一方で旧いアルファ・ロメオやランチアには、日本のクルマにはない独特の風格のようなものがあります。歴史と伝統、老舗のプライドを随所に感じることができます。

すべてのイタリア車に共通しているのは、やはり乗って楽しいということかもしれません。

性能のことだけを言えばドイツ車や日本車は素晴らしいものがあります。でも、なかなか運転していて気持ちが良くなるクルマって案外少ないんです。これはラテン系の血なのでしょうかね...。そればっかりでもないような気がします。

カラーやデザインはもちろんのこと、シンプルだけど素晴らしい座り心地のシート。
小さいけど明るく広々とした室内。(500なんかはアレだけ小さいのに大男が乗れますからね)
思ったように曲がるステアリング、気分のアガるエンジン音や、速度以上に体感できる軽快な走り…。
割と料理のように、味や素材、見た目など絶妙な総合的なバランスで作られているのがイタリア車なのではないかと信じています。

だから、真剣に走って良し、気楽に街なかを流しても良し、小柄でカワイイデザインは、誰にも圧を感じさせない...。そんなローファイなやさしさに満ちた感じ。それこそが旧いイタリア車の魅力かもしれませんね。

というわけで、現在デモカーにしている
FIAT 127 Familiare CORIASCO / フィアット127 ファミリアーレ コリアスコ

嫁ぎ先のお客様のご都合により、なんと弊社に戻ってきました。しばらくは慣らし運転とともに、デモカーとして活躍させるつもりですが、ご希望の方には販売させていただくことになりました。

シートはオリジナルの素材を用いて、現地イタリアの職人がレストア。
エンジン、ミッション、ブレーキ、足まわりも弊社の熟練工がきっちり新品で組み直しています。

オーバーホール後ようやく2000Kmを経過し、各部の硬さも取れ、日に日に滑らかさと快活さが増しています。



900ccながら素晴らしいサウンドとパンチが持ち味。
安定感のある走りと、軽快で痛快なエンジンの魅力が同時に楽しめます。

それに加え、デザインまで楽しめちゃう一台。
なんとFIATのClassiche(メーカー血統書)付きです。

ご興味のある方はどしどしご連絡くださいませ。

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2025